(1)どのような場合に支給されるのですか。

以下の要件があれば、基本手当が支給されます。
1)「一般被保険者」が失業

2)離職の日以前2年間に「被保険者期間」が通算して12か月以上あり(ただし、「特定受給資格者」、「特定理由離職者」に該当する場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上ありでも可)

3)ハローワークで求職の申込みを行い、就職の意思と能力があるにもかかわらず、「失業の状態」にあること

【用語説明】

「一般被保険者」
雇用保険の適用事業に雇用される65歳未満の労働者で、「高年齢被保険者(※)」 「短期雇用特例被保険者」「日雇労働被保険者」以外の方を言います。企業に勤める正社員や週20時間以上の所定労働時間で31日以上雇用される見込みのある有期雇用契約の従業員は、一般被保険者となります。
「被保険者期間」
離職日から遡って1か月ごとに期間を区切り、その1か月の中で賃金が支払われた日数が11日以上ある月の数を合計した月数を言います。通常は就職日から退職日までの期間は被保険者期間となります。
「特定受給資格者」
会社の倒産や解雇など、17のケースにより失業した人を言います。再就職の準備の余裕がなく、保護の優先度が高いとされます。
「特定理由離職者」
有期雇用契約が満了し、契約更新希望が認められなかった一定の場合や、正当な理由により自己都合退職をした場合など、7のケースにより失業した人を言います。保護の優先度が特定受給資格者に準じて高いとされます。平成29年3月末までの暫定措置です。

[具体例]―基本手当が支給されるケース

例えば、次のような場合に、新たな働き口を求めてハローワークで求職の申込みをすれば基本手当が支給されます。
  • ・1年以上通常に仕事をしていた65歳未満の会社員が自己都合退職した場合
  • ・6か月以上通常に仕事をしていた65歳未満の会社員が解雇されて失業した場合
  • ・「契約更新する場合がある」との有期雇用契約で6か月以上通常に仕事をしていたパートタイマー(週所定労働時間は20時間以上)が、契約満了時に更新を希望したが認められなかった場合

(※)平成29年1月1日より65歳以上の労働者についても雇用保険の適用対象になりました。



(2)受給のための手続を教えて下さい。

  • 本人の住所地を管轄するハローワークに、以下の書類等を速やかに持参して求職の申込みを行います。
  • ・「雇用保険被保険者離職票-1」
  • ・「雇用保険被保険者離職票-2」
  • ・「雇用保険被保険者証」
  • ・「本人確認の公的書類(顔写真付)」
  • ・「写真2枚」(サイズなど指定あり)
  • ・「印鑑」
  • ・「本人名義の預金通帳」

なお、「雇用保険被保険者離職票」(通称「離職票」)の1と2は、離職時に会社から交付されます。
「離職票-2」は「雇用保険被保険者離職証明書」と複写になっている帳票ですが、右側に離職理由をチェックする欄、右下に「離職者本人の判断」という欄があり、離職理由に異議がないかどうか、本人が○を付けて署名または捺印をする箇所がありますので、会社が記入した離職理由に間違いがないか確認しましょう。
求職の申込みを受けたハローワークは受給資格を確認した後、受給者説明会の案内をします。以降、その指示に従って求職活動を行い、4週間に1回ずつ直前の28日について失業の認定をうけると、7日間の「待期」期間を除き、基本手当の支給が開始されます。ただし、正当な理由がなく自己都合で退職した場合は、さらに3か月間、 給付が制限され(給付制限期間)、基本手当の支給開始は3か月と7日が経過した後となります。

留意点

1.給付日数の計算の対象となる日は、実際に失業した日からではなく、原則として最初にハローワークに求職の申込みをした日からです。従って、特別の事情がないにもかかわらずハローワークに求職の申込みをしないでいると、待期期間や給付制限期間以外に失業当初の給付を受けられない期間が生じるため、注意が必要です。

2.失業理由により、基本手当の所定給付日数が変わります。従って、実際は「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に該当するにもかかわらず、「自己都合退職」などとされた場合、本来受給できる基本手当を満額受給できない場合が生じます。この区別は、「離職票-2」の中の「離職理由」がどのように記載されているかによってハローワークが判断します。従って、本人が当該欄に正確に記入することが大切です。


(3)いくら給付されますか。

1)給付額の計算

給付される金額は、次の式で計算されます。

給付される金額=「1日あたりの給付金額」×「給付日数」
1日あたりの給付金額:1,832円(下限額)~7,775円(上限額)
給付日数:90日~360日(ただし延長される場合があります)

なお、以下で説明する賃金日額の区分や下限額・上限額などの金額は、平成28年8月1日から1年間の適用金額であり、毎年8月1日に見直しが行われますので、ご注意ください。


2)1日あたりの給付金額

1日あたりの給付金額を「基本手当日額」と言います。基本手当日額は、働いていた時の賃金に応じて決められ、失業した人の過去6か月の賃金(賞与は除く)を180で割って得た金額(これを「賃金日額」と言います)と、給付率にもとづき、次の計算式で計算されます。

「基本手当日額」=「賃金日額」×「給付率」


3)賃金日額に乗じる給付率

給付率は年齢区分と賃金日額に応じて次のように定められています。失業時の生活保障や就労インセンティブに配慮して、賃金水準が低いときは80%と高く、賃金水準が高いときは年齢に応じて50%または45%と低く定められています。


<離職日の年齢が60歳未満の場合>

賃金日額 給付率
2,290円以上4,580円未満 賃金日額の80%
4,580円以上11,610円以下 賃金日額の50~80%(注)
11,610円超 賃金日額の50%

(注)正確には次の式で計算されます。
「基本手当日額」をY、「賃金日額」をWとして、 Y=(-3W²+69,980W)/70,300



<離職日の年齢が60歳以上65歳未満の場合>

賃金日額 給付率
2,290円以上4,580円未満 賃金日額の80%
4,580円以上10,460円以下 賃金日額の45~80%(注)
10,460円超 賃金日額の45%

(注)正確には次の式で計算されます。「基本手当日額」をY、「賃金日額」をWとして、
Y=(-7W² +126,140W)/117,600
または、
Y=0.05W+4,184
のいずれか低い方の額



基本手当早見表 【平成28年8月1日~】

(単位:円)

賃金日額 基本手当日額
30歳未満 30歳以上
45歳未満
45歳以上
60歳未満
60歳以上
65歳未満
65歳以上
2,290 1,832 1,832 1,832 1,832 1,832
2,500 2,000 2,000 2,000 2,000 2,000
3,000 2,400 2,400 2,400 2,400 2,400
3,500 2,800 2,800 2,800 2,800 2,800
4,000 3,200 3,200 3,200 3,200 3,200
4,580 3,664 3,664 3,664 3,664 3,664
5,000 3,910 3,910 3,910 3,875 3,910
5,500 4,184 4,184 4,184 4,098 4,184
6,000 4,436 4,436 4,436 4,292 4,436
6,500 4,667 4,667 4,667 4,457 4,667
7,000 4,877 4,877 4,877 4,534 4,877
7,500 5,065 5,065 5,065 4,559 5,065
8,000 5,232 5,232 5,232 4,584 5,232
8,500 5,378 5,378 5,378 4,609 5,378
9,000 5,502 5,502 5,502 4,634 5,502
9,500 5,605 5,605 5,605 4,659 5,605
10,000 5,687 5,687 5,687 4,684 5,687
10,460 5,743 5,743 5,743 4,707 5,743
11,000 5,786 5,786 5,786 4,950 5,786
11,610 5,805 5,805 5,805 5,224 5,805
12,000 6,000 6,000 6,000 5,400 6,000
12,500 6,250 6,250 6,250 5,625 6,250
12,740 6,370 6,370 6,370 5,733 6,370
13,500 - 6,750 6,750 6,750 -
14,000 - 7,000 7,000 6,300 -
14,150 - 7,075 7,075 6,367 -
14,860 - - 7,430 6,687 -
15,550 - - 7,775 - -

4)基本手当日額の下限額と上限額

また、賃金日額と基本手当日額には、下限額と上限額が定められています。これは給付率の設定のときと同じく、失業時の生活保障や就労インセンティブに配慮したものと言えます。
下限額は年齢に関わらず一律で、賃金日額は2,290円、基本手当日額は1,832円とされています。
従って、2,290円以下の賃金日額で働いていたとしても(最低賃金法に違反しているかどうかは別問題として)、基本手当の計算の際には1日あたり1,832円で計算されます。
一方、上限額は年齢区分に応じて定められています。


離職日の年齢 賃金日額の上限額 基本手当日額の上限額
30歳未満 12,740円 6,370円
30歳以上45歳未満 14,150円 7,075円
45歳以上60歳未満 15,550円 7,775円
60歳以上65歳未満 14,860円 6,687円
65歳以上 12,740円 6,370円

5)給付日数

所定給付日数は、失業した理由や離職の日の年齢、「就職困難者」かどうか、そして「算定基礎期間」などに応じて、きめ細かに定められています。

【用語説明】

「就職困難者」
障害者雇用促進法に規定する障害者などを言います。
「算定基礎期間」
おおむね次の式で計算します。

<就職困難者の所定給付日数>

 
算定基礎期間
1年未満
1年以上
年齢
45歳未満
150日
300日
45歳以上65歳未満
360日


<特定受給資格者、特定理由離職者(注)の所定給付日数>

 
算定基礎期間
1年未満
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
年齢
30歳未満
90日
90日
120日
180日
30歳以上
35歳未満
90日
180日
210日
240日
35歳以上
45歳未満
90日
180日
240日
270日
45歳以上
65歳未満
180日
240日
270日
330日
60歳以上
65歳未満
150日
180日
210日
240日

(注)特定理由離職者で、正当な理由により自己都合退職をした場合は、被保険者期間が、12か月以上ない方に限ります。



<上記以外の者の所定給付日数>

算定基礎期間
1年未満 1年以上
10年未満
1年以上
20年未満
20年以上
全年齢 90日 120日 150日

(4)どれくらいの期間、受給できるのですか。

受給資格者の区分に応じて、離職の日の翌日から起算して1年~1年と60日ですが、一般的には1年間です。 従って、失業中に特別の事情もなくハローワークに求職の申込みをしないでいると、受給期間が終わってしまい、失業が継続しているのに所定の給付日数分を満額受けられない場合があります。



(5)所定給付日数分を受給し終えると、失業中であっても給付は必ず打ち切られるのですか。

一定の事情により、所定給付日数分の給付だけでは保護が足りない場合に、基本手当の支給日数を加算する仕組みとして、a) 訓練延長給付、b) 広域延長給付、c) 全国延長給付、d) 個別延長給付、の4種類(このうち d は平成29年3月末までの暫定措置です)の給付延長の仕組みがあります。

なお、「ハローワークインターネットサービス」のホームページの「雇用保険関係」のページや、
厚生労働省のホームページの雇用保険制度の解説ページにも、基本手当の受給手続きなどについて、
より詳しい説明がされていますのでご参照ください。


文責:全労済協会