(13)国民健康保険の概要について教えてください

1)被保険者

日本では、国内に住所のある全ての人が原則として公的医療保険制度に加入することになっています。
これを「国民皆保険制度」といいます。加入する公的医療保険制度は、職域・地域、年齢(高齢・老齢)に応じて決まります。
市区町村に住所のある人は、健康保険の被保険者およびその被扶養者等を除いて、国民健康保険の被保険者になります。
国民健康保険には、加入者が住んでいる「各市区町村」が保険者になるものと、同種の事業または業務に従事する人を組合員とする「国民健康保険組合」が保険者になるものと2種類あります。

2)保険料(税)

国民健康保険の保険料(税)は、被保険者ごとに計算したものを世帯単位で合算し、世帯主が納付することになっています。
保険料(税)には、「医療分」、「後期高齢者支援金分」、「介護分(40歳から65歳未満の人)」 の3つの区分があり、これらの合計額が保険料(税)額になります。

【40歳未満】
 保険料(税)=医療分+後期高齢者支援金分
【40歳以上65歳未満】
 保険料(税)=医療分+後期高齢者支援金分+介護分
【65歳以上75歳未満】
 保険料(税)=医療分+後期高齢者支援金分(介護保険料は別途、市区町村の介護保険担当から通知)
 
なお、区分ごとに、世帯単位の賦課限度額(年間の上限額)が決まっています。
賦課限度額は、医療分が一世帯あたり65万円、後期高齢者支援金分が一世帯あたり22万円、介護分が一世帯17万円となっています。

この区分ごとの額は、「所得割」・「資産割」・「均等割」・「平等割」の4つの中から、各市区町村が「法令で規定している組み合せを決定」し、一世帯あたりの年間保険料(税)を計算します。

3)医療費の一部負担金

医療費の一部負担金(自己負担額)の割合は下記の通りです。


【一部負担金の割合】

年齢 負担割合
未就学児(0歳~小学校就学前) 医療費の2割
小学校就学~69歳 医療費の3割
70歳~74歳(一般) 誕生日が昭和19年4月2日以降の人は医療費の2割
現役並み所得者は医療費の3割※

※現役並み所得者とは同一世帯の70歳以上の国民健康保険加入者の中に、課税所得145万円以上の人がいる世帯の人です。
なお、単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満であるときは申請により、一般と同じ負担割合になります。


4)保険給付

国民健康保険では、被保険者の業務上の疾病、負傷についても、労働者災害補償保険の給付等がある場合を除き、保険給付の対象になります。

国民健康保険の保険給付は「法定給付たる絶対的必要給付」、「相対的必要給付」、「任意給付」に分けられています。


  • ・法定給付たる絶対的必要給付はほとんどの市区町村で制度を設けています。
  • ・法定給付たる絶対的必要給付は療養の給付、療養費、入院時食事療養費、訪問看護療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、高額療養費、高額介護合算療養費、移送費です。
  • ・相対的必要給付についてもほとんどの市区町村で制度が導入されています。
  • ・相対的必要給付は出産育児一時金・葬祭費(葬祭の給付)が該当します。
  • なお、傷病手当金、出産手当金は任意給付ですが、ほとんどの市区町村で実施していません。

【国民健康保険における新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金制度について】
国民健康保険に加入している被用者(会社等に勤めている人)のうち、次の要件に該当する人に対して傷病手当金が支給されます。

《対象者》
国民健康保険に加入期間中に、新型コロナウイルス感染症に感染した、または発熱等の症状があり感染が疑われるため会社等を休み、給与収入が減少した人

《支給対象となる日数》
労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間のうち就労を予定していた日

《支給される額》
支給される額=直近の継続した3カ月間の給与収入の合計額を就労日数で除した金額×2/3×支給対象となる日数