(1)住民税の概要を教えてください。

1)住民税とは
私たちが納める税金には「国税」と「地方税」の2種類があります。
「国税」は国に納める税金で、「地方税」は都道府県、市区町村に納める税金です。
「地方税」は市町村民税(東京都23区では特別区民税)と道府県民税(東京都では都民税)があり、この2つをあわせて一般的に「住民税」と呼ばれています。
住民税については、地方税法において地方団体の賦課徴収できる税目、税率その他の手続き等、地方税に関する統一的法規として、地方税制に関する基本的なことについて大枠が定められています。各地方団体は地方税法に基づきそれぞれ条例で詳細を定め、それに基づき課税します。



日本の税金
租税 国税 直接税 収得税所得税など
財産税相続税など
間接税消費税 酒税、消費税など
その他 流通税 印紙税など
地方税 道府県税 普通税
(税の使途が特定されていないもの)
道府県民税、地方消費税、不動産取得税、
道府県たばこ税、自動車税など
目的税
(税の使途が特定されているもの)
自動車取得税、軽油引取税、狩猟税、水利地益税など
市町村税普通税
(税の使途が特定されていないもの)
市町村民税、固定資産税、軽自動車税、市町村たばこ税、鉱産税など
目的税
(税の使途が特定されているもの)
都市計画税、水利地益税、共同施設税、宅地開発税、国民健康保険税、入湯税など


2)地方税の税率
地方税の税率は以下の種類があり、それぞれの税目ごとに定められています。

標準税率

地方団体が課税する場合において通常よるべき税率として地方税法に定められている税率をいいます。
財政上その他の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率をいいます。

制限税率

地方団体が課税する場合において超えてはならないものとして地方税法に定められている税率をいいます。

一定税率

地方団体が課税する場合において地方税法に定められている税率以外の税率によることができない税率をいいます。

任意税率

地方税法に税率が定められておらず、地方団体が任意に定めることができる税率をいいます。


3)個人住民税
住民税は個人、法人それぞれに課されます。
そのうち、個人に課される道府県民税と市区町村民税をあわせて「個人住民税」と呼ばれています。
個人住民税は、住民に対して行う行政サービスなどの受益に対する対価として、地方自治を支える基幹税として位置づけられています。
納税者自身が所得金額および税額を計算する所得税の申告と異なり、「給与支払報告書」等の課税資料を基にして市区町村が税額を計算し、納税者に通知・課税します(賦課課税方式)。



(2)個人住民税はどのような場合に申告が必要ですか。

住民税は、1月1日時点の住所所在地の市区町村へ納めます。
3月15日までに前年1年間(1月1日から12月31日)の収入金額等を記載した「市町村民税・道府県民税申告書」を賦課期日現在における住所所在地の市区町村へ提出します。
個人住民税の申告においては所得税と異なり、給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円以下でも申告する義務があります。
ただし、次に掲げる者については、個人住民税の申告は不要とされています。


1)給与支払報告書の提出義務者(勤務先)から1月1日現在において給与の支払を受けている者で前年中に給与所得以外の所得を有しなかったもの

2)公的年金等支払報告書の提出義務者から1月1日現在において公的年金等の支払を受けている者で前年中に公的年金等に係る所得以外の所得を有しなかったもの

3)市町村民税又は特別区民税の所得割の納税義務を負わないと認められる者のうち市区町村の条例で定める者

4)市区町村内に住所を有する者が前年分の「所得税の確定申告書」を提出した場合

(注)所得税の確定申告書を提出する者は、個人住民税の賦課に必要な事項「1月1日現在の住所」、「給与所得以外の所得に係る個人住民税の徴収方法」等を所得税の確定申告書に附記することとされています。



(3)個人住民税を納める方法について教えてください。

個人住民税を納める方法は、一般的に給与所得者(サラリーマン)が納める「特別徴収」と、それ以外の方が納める「普通徴収」の2種類に分かれます。


1)給与所得者の「特別徴収」
給与の支払い者が給与の支払いに際し、住民税を6月から翌年5月まで毎月の給料日に徴収し、翌月10日までに納付する方法です。

①「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出(給与所得者より勤務先へ)
給与の支払いを受ける人(給与所得者)は、毎年最初の給与を受ける日の前日までに所得税法で定める「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を給与の支払者(勤務先)に提出します。
なお、当該申告書「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」欄は、地方税法で定める「給与所得者の扶養親族申告書」の記載欄を兼ねています。

②「給与支払報告書」の提出(勤務先より市区町村へ)
勤務先では、1月1日現在において給与の支給を受けている全ての受給者の給与支払報告書(「給与所得の源泉徴収票」と同一様式)を住所所在地の市区町村へ1月31日までに提出します。

③「特別徴収税額通知書」の通知(市区町村より勤務先・給与所得者へ)
市区町村は、5月31日までに個人住民税の額を「特別徴収税額通知書」により特別徴収義務者(勤務先)と納税義務者(給与所得者)へ通知します。

④勤務先の給与支払いにおける個人住民税の特別徴収
特別徴収義務者(勤務先)は、6月から翌年5月まで毎月の給料日に市区町村より通知を受けた特別徴収税額(個人住民税)を徴収して、翌月10日までに納付します。


2)給与所得者以外の方の「普通徴収」
事業所得者や公的年金所得者(65歳以上で一定の方を除く)など、特別徴収できない方の納税方法です。
毎年6月頃に「納税通知書」が自治体から送られてきますので、通知された税額を年4回の納期に分けて、納税者ご本人が金融機関等から直接納めます。納期(6月、8月、10月、1月)は市区町村の条例で定めます。



(4)個人住民税と所得税の違いは何ですか。

  住民税 所得税
課税団体 都道府県、市区町村
課税標準 <均等割>
標準税率 年額5,000円(都道府県民税1,500円、市区町村民税3,500円)

<所得割>
前年1月1日から12月31日までの所得に対して課税します(前年所得課税主義)。

(注)退職所得は、所得の発生した年に課税します(現年分離課税主義)。

毎年1月1日から12月31日までの所得に対して課税します(暦年課税)。

税率 (所得割)標準税率一律10%となります(都道府県民税4%、市町村民税6%)。 平成27年分以後、課税所得金額に対し、5%~45%までの超過累進税率となります。

(注)復興特別所得税2.1%が課税されます(平成25年~平成49年までの25年間)。

確定申告 給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円以下でも、申告義務があります。 給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の場合は、申告義務がありません。
(注)20万円超の場合は申告義務があります。
税金の納付方法 賦課課税方式となります(賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日)。 申告納税制度となります。
なお、給与の支払い者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人は、原則として、年末調整により税額の精算が終了します。
所得控除額の計算 所得税の基礎控除38万円(住民税は33万円)をはじめ扶養控除、配偶者控除、生命保険料控除等の所得控除額については、住民税の方が所得税よりも低額となっています。


(5)個人住民税はどのように計算されますか。

均等割額の計算

①都道府県民税の均等割
標準税率 年額1,500円(注)平成26年度から平成35年度まで。

②市区町村民税の均等割
標準税率 年額3,500円(注)平成26年度から平成35年度まで。


所得割額の計算
都道府県民税と市区町村民税の所得割については、「①所得金額の計算」と「②所得控除額の計算」が同一であり、「③課税所得金額(課税標準額)」も同額となります(税率は異なります)。


①所得金額の計算
住民税の各種所得金額の計算は、原則として、前年の所得税法・租税特別措置法などの規定により計算した金額となります。

②所得控除額の計算
住民税の所得控除の対象範囲は、一部を除き基本的に所得税と同一となっています。
所得控除額については、基礎控除33万円(所得税は38万円)をはじめ扶養控除、配偶者控除等、住民税の方が所得税よりも低額となっています。

③課税所得金額(課税標準額)
上記「①所得金額の計算」の各種所得の金額について損益通算を行い、純損失又は雑損失の繰越控除を行った後の金額から、上記「②所得控除額の計算」の合計額を控除した金額が課税所得金額(課税標準額)となります。
なお、損益通算の方法および純損失または雑損失の繰越控除の方法は、基本的には所得税と同一です。

④税率の適用(算出税額)
都道府県民税の税率  一律4%(標準税率)
市区町村民税の税率  一律6%(標準税率)
(注)他に土地等を譲渡した場合の譲渡所得に対する税率等があります。

⑤税額控除額の計算
住民税の税額控除には、平成19年度の税源移譲に伴う調整控除、配当控除、住宅借入金等特別税額控除、寄附金税額控除、外国税額控除、配当割額又は株式等譲渡所得割額の控除などがあります。

⑥所得割額の計算
ア.都道府県民税の所得割額
 (前年の総所得金額等-所得控除額)× 4%- 税額控除額 = 所得割額
イ.市区町村民税の所得割額
 (前年の総所得金額等-所得控除額)× 6%- 税額控除額 = 所得割額

個人住民税の納付税額

①都道府県民税の納付税額
均等割1,500円+ 所得割額 = 納付税額

②市区町村民税の納付税額
均等割3,500円+ 所得割額 = 納付税額



(6)個人住民税における住宅ローン控除について教えてください。

所得税から住宅ローン控除を引ききれなかった場合、所得税の控除限度額を超える部分の金額については、一定の額まで翌年度の住民税(所得割)から控除されます。
平成27年度の税制改正および消費税率10%の引上げ時期の変更に伴い、適用期限を平成33年12月(改正前:平成31年6月)まで入居された方に延長し、控除限度額は最高136,500円(改正前 97,500円)と拡大されています。

対象者

平成21年1月から平成29年12月までに入居し、所得税の住宅ローン控除を受けている場合で、所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除の残額がある方が対象となります。

控除額

次の①又は②のうちいずれか低い方の金額となります。
①所得税の住宅ローン控除額のうち所得税において控除しきれなかった残額
②次の居住年月による控除限度額(最高97,500円又は136,500円)

居住年月 控除限度額
平成21年1月~平成26年3月 所得税の課税総所得金額等 × 5%(最高97,500円)
平成26年4月~平成33年12月 所得税の課税総所得金額等 × 7%(最高136,500円)

(注)平成26年4月1日以後、購入した住宅の消費税率が8%および10%以外の場合
控除限度額は、最高97,500円となります。


住民税につきましては、総務省ホームページにより詳しい情報が掲載されていますので、ご参照ください。


文責:全労済協会