「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」の活動内容

―現在は講座の開催や自治体と連携した活動、イベントブースへの出展などかなり幅広く活動されているようですが、活動内容について詳しくお聞かせください。

メインの活動は講座を開催することで、これまで87回、計2,700人以上の乳幼児を育てるパパ・ママに、小児医療の基礎を小児科医から伝えていただくという活動をしてきました。その講座の内容は①救急の判断。どういうときに病院へ行ったらいいか。どういうときは家で見ていても大丈夫なのか。②家でできるホームケア。熱のときはどうしたらいいか。咳のときはどんなケアをしたらいいか。③予防接種について。④地域や日本の医療の現状を学ぶ。この四つのポイントでずっと同じ内容の講座を行っています。どんどん新しいパパ・ママは誕生しますので、初めてお子さんを持った方にまずは知っていただきたいという思いで、同じことを繰り返しお伝えしています。

それから、私たちが直接お届けできる方はどうしても限られてしまいますので、親は今何を知りたいかということを会員に聞き、その質問について医師に原稿をもらって、毎月メルマガを約860人の登録者へ無料で配信しています。

あとは子育てのメッセです。講座に参加してくださる方は子どもの病気について知ろうという気持ちが強い方ですが、そうではない、普通のパパ・ママにも子どもの病気について知っていただきたいという思いで、普通の子育てのイベントに参加して、子どもの病気について救急とはどんなときか、どんなホームケアがあるのかを簡単にまとめたものを作ってお渡ししています。

さらに、シンポジウムや学会、厚労省や消防庁、東京都などの委員会に参加して、親である私たちが感じている医療の問題点や私たちの声を率直に届けることを主に私がしています。

それから、がんばって講座を開催していてもどうしても限りがあるので、より多くの方々が、パパ・ママとなった方が子どもの病気について知りたいと思ったときには全国どこででも学ぶことができるように、自治体が私たちと同じように講座を開催していただきたいというメッセージも発信しています。これまでもさまざまな自治体と共催で講座を開催してきました。

新宿区では一緒に子どもの病気についての冊子を作りました。この冊子は、新宿区の全域で3~4カ月健診の際に必ず配っていただいています。しかもその事業は冊子を作って終わりということではありません。3~4カ月健診はいろいろなプリントや冊子を封筒にいっぱいもらうため、そのままどさっと捨ててしまうママも結構います。そこで、その病気の冊子に関してはそれだけ別にして、必ず手渡しで「病気のときこれを見てくださいね」ということを保健師さんが必ず一言添えてくださっています。これはすごく小さく地味なことですが、とても大事なことです。新宿区において小児救急の不安度が減ったというデータが出ていると聞いているので、それが役に立っているのではと思います。

他にも東京都と一緒に子どもの病気についての対談企画を行ったり、自治体と協力して事業を実施していくことを大切に行っています。

私たちの会のメンバーは、働くお母さんや専業主婦、医療関係者などですが、メンバーの多くは何かしらのスタッフとしてかかわってくれています。それは住まいがどこであっても、都内のメンバーであっても、なかなか会うことは難しいので、常にメールやネット上で交流を交わしています。メルマガは7人で作っていますし、ウェブも4人で担当しています。いろいろなところに住むメンバーが、それぞれ得意なことを担当し、活動しています。