「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」が大切にしていること

「柏原病院の小児科を守る会」は一つの病院を守るということで、鬼気迫ったものがあり、だからコンビニ受診を減らそうというメッセージがしっかり届いたすばらしい活動だと思っています。

しかし私たちの場合、地域は全く特定しておらず、日本の小児医療全体を良くしたいと思っています。そしてお母さん、お父さんたちの不安を減らしたいという思いで活動していますので、私たちの活動からは、コンビニ受診を減らしたいというようなメッセージは届かないと思います。

私たちはコンビニ受診という概念を持っていません。核家族で子育てを1人でしているようなもともと不安があるママたちが多い都心部などでは、心配で不安で焦って夜に1人で病院へ連れて行っているような現状がある中で、受診を減らそうというような呼びかけは、少し違うかなと思っています。私たちの活動は、不安を減らすということが前提です。

「柏原病院の小児科を守る会」とは活動地域も対象も違うため伝えたいメッセージに違いはあると思いますが、どちらも大切な活動だと思っています。

不安を減らすための活動の中で私たちが大事にしていることは、行政に対して批判的だったり、医療者に対して批判的だったり、親に対しても受診の仕方がおかしいと言って批判的なことはあると思うのですが、私たちは「批判」ではなく「意見」をちゃんと伝えたいと思っています。

まず意見を伝える前に、私たち親もみんなすごく頑張っていますし、医療者もすごく頑張っていて、また行政もメディアもみんなそれぞれの場所ですごく頑張っているということを前提として、そこで感謝の気持ちをまずは伝えます。本当にその気持ちをいつも持っています。

その上で、それでももう少しこうなっていただけるとありがたい、というようなメッセージの伝え方をずっとしてきました。いきなり批判をするのではなくて、まずは理解や感謝をして、その上でお伝えしたいことがあるときには、意見として伝えるということを大事にしてきました。

よく他の団体の方から、どうして私たちの会の意見は通るのかというような質問を受けたりするのですが、私たちは絶対に批判をしないからだと思います。行政に対しても、例えば予防接種に関しても批判の声はとても多くて、ワクチンギャップですとか、何十年も遅れているという声もあるのですが、それでもそこで担当してくださっている方は、それぞれの場所で一生懸命やっているというのは事実だと思うのです。私は今回ワクチンの委員を務めることになったのですが、まずはそうして日々やってくださっていることに対して感謝をして、その上で、それでも私たちはこういったことを望んでいるということはきちんと伝えたいなという姿勢を大事にしています。