(1)配偶者控除、配偶者特別控除の改正

経済の成長力の底上げのため、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除、配偶者特別控除の控除額が改正されています。

配偶者控除の改正(縮減)

納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者控除の適用が受けられない改正となっています。
また、納税者本人の給与収入(合計所得金額)が1,120万円(900万円)を超える場合には控除額が低減します。控除対象配偶者(70歳未満)と老人控除対象配偶者(70歳以上)の控除額は、次のとおりとなります。

配偶者控除の控除額

納税者本人給与収入
(合計所得金額)
控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
~1,120
(~900)
38 48
~1,170
(~950)
26 32
~1,220
(~1,000)
13 16
1,220~
(1,000~)
- -

(単位:万円)

配偶者特別控除の拡大等

配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額を38万円超123万円以下と拡大されています
(改正前:38万円超76万円未満)。
また、上記「配偶者控除の改正(低減)」と同様に、納税者本人の給与収入(合計所得金額 )が
1,120万円(900万円)を超える場合には控除額が低減します。
なお、納税者本人の合計所得金額1,000万円以下の要件は、従来と同様となっています。

配偶者特別控除の控除額

  • 配偶者特別控除の控除額

(単位:万円)

適用時期

上記「配偶者控除の改正(縮減)」及び「配偶者特別控除の拡大等」とも平成30年分以後の所得税について適用します。

住民税の取扱い

住民税における配偶者控除及び配偶者特別控除についても、控除額は異なりますが、平成31年度分以後の住民税について適用します。

(2)医療費控除の添付書類の改正

医療費等の領収書から明細書の添付へ

確定申告において医療費控除の適用を受ける場合、改正前は医療費又は医薬品購入費の領収書添付又は提示が必要となっています。
改正後は、領収書に代えて協会けんぽ等から交付を受けた医療費又は医薬品購入費の明細書添付が必要となります。

適用時期

明細書の添付は、平成29年分以後の確定申告からの適用となります。
ただし、経過措置として、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、改正前の領収書の添付又は提示も認められています。

医療費控除の特例(平成28年度税制改正)

セルフメディケーション税制(自主服薬)は、平成29年1月1日以後、ドラックストアなど特定の市販薬の購入費について、医療費控除の特例として、次の算式により所得控除の対象となります。

<計算式> 購入金額 - 12,000円 = 所得控除(限度額88,000円)

(注)現行の医療費控除との選択で適用を受けることができます。