第2部:パネルディスカッション

地域は消えない~地方と都市のコミュニティ再生

岩本 悠 氏

岩本 悠 氏島根県教育魅力化
特命官

岡崎 正信 氏

岡崎 正信 氏岩手県紫波町オガール
プラザ株式会社
代表取締役

保井 美樹 氏

保井 美樹 氏法政大学現代福祉学部・
大学院人間社会研究科
教授

浜 矩子 氏

浜 矩子 氏同志社大学大学院
ビジネス研究科教授

岡﨑 昌之 氏

コーディネーター岡﨑 昌之 氏法政大学名誉教授

岩本 悠 氏

島根県でご自身が関わられた例を挙げ、「地域のまちづくりについて、原点となるのはその地域の人たちの覚悟です。今後は、グローバルな視点を持ちながら、地域にあるものを活かし、なりわいや事業をつくれる次の世代を育てていくことが肝要になってきます。」と述べられました。また、「都市部の人が、地域で挑戦する、志を果たしにふるさとへ帰るといった選択肢を持つことも重要です。都市部の子どもの地方留学や、子育て世代の教育移住といった新たな人の流れもつくっていきたいです。」という展望についても語られました。

岡崎 正信 氏

地域の行政のあり方や役割について、「今は人口減少社会であり、人が減れば地域の税収は減ります。これからは稼ぐプロである民間に委ねて稼いでいけるような仕組みづくりを考えなければならないと思います。」と語られました。
そして、岩手県紫波町でご自身が関わられているオガールプロジェクトについて、「多様性がある成熟社会に必要なのは、個人個人がどう幸せを感じていくかであり、これは時代とともに変化していくものです。オガールプロジェクトでつくった広場などの施設も、その時々にニーズにあわせて新しい使い方を探ってほしい。」と語りました。

保井 美樹 氏

ニューヨークで地域活性の例を見てこられた保井氏は、「地方でも都市部でも、公共施設を民間で管理する例が増えています。こうした空間は、地域住民、事業者、地権者などそのエリアに直接利害を有する人がつながりを持って、空間の使い方を決めていくことが大切です。」と述べられました。また、「若い人たちが地域で新しいなりわいをつくるチャレンジを、第一線を引退した高齢者が地域組織から支援するような地域づくりができればいいですよね。」とも語られました。

浜 矩子 氏

基調講演に続き、ディスカッションに加わっていただいた浜氏は、「岡崎さんのように『私的事業の公共化』を進める活動はとても貴重です。そのためには、岩本さんが最初に発言されていた『覚悟』が大切でしょう。地域による地域のための展開を生み出すつながりの必要性を感じました。」と述べられました。

岡﨑 昌之 氏

コーディネーターの岡﨑氏は、「今、全国1,700強の自治体が地方創生という政策に取り組んでいますが、地域が本当に必要としているものは何か、そして誰が担っていくのかということも含めて、地域に住む人々の視点から、これからの地域づくりということで考えていただきたいと思っております。」と締めくくりました。

パネルディスカッションの様子

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