地域は消えない コミュニティ再生の現場から
- 編者:岡﨑 昌之
- 監修:全労済協会
- サイズ:四六判・384頁
- 定価:本体 2,900円 + 消費税
- 刊行:2014年10月
- 日本経済評論社刊:http://www.nikkeihyo.co.jp/
本書紹介
当協会の「いきいきまちづくり研究会」(2012年5月~2014年3月 主査:岡崎昌之法政大学現代福祉学部教授)の研究成果をまとめた書籍『地域は消えない―コミュニティ再生の現場から』(岡崎昌之編、全労済協会監修)が、10月末に日本経済評論社から出版されました。
当協会では、2009年9月から2011年6月にかけて「地域社会研究会」(主査:岡崎昌之法政大学現代福祉学部教授)を設置し、各地の地域おこしの取り組みについて研究を行いました。
その成果については、報告書『自立する新しい地域社会づくりをめざして』(2011年10月)としてまとめるとともに、2010年5月(東京)、6月(福岡)に開催した当協会統合5周年のシンポジウム「地域と活性化」の中でも、研究会の議論を踏まえて地域おこしの取り組みとそこから得られる示唆について広く紹介してきました。「いきいきまちづくり研究会」はこれに続く第2期「地域社会研究会」です。
当協会は、全労済グループの基本3法人のひとつとして、協同組合原則(第7原則:コミュニティへの関与 協同組合は、組合員によって承認された政策を通じてコミュニティの持続可能な発展のために活動する。)を踏まえて地域社会の課題を分析し、持続可能な地域社会のあり方を研究するとともに、社会保障・生活保障を実現する場としての地域社会への勤労者の関わりに関心を持ち続けてきました。
従って本書では、地域社会の研究者などから多くの実践例を紹介していただき、あわせて、研究会として行った視察や招聘講師の報告内容をコラムとして紹介しています。これらを通じていくつかのモデルを明らかにし、地域社会の活性化に向けた示唆を数多く盛り込んでいただきました。また、協同組合や勤労者の地域社会へのかかわりという観点からも問題を掘り下げ、具体的な一歩を踏み出すヒントとしても活用できる内容を提示するよう努めました。
「市町村消滅」が叫ばれ、地域の集約化への議論が加速されようとしている中で、本書はもう一つの地域社会のめざすべき姿を明らかにしています。本書が、地域社会に関心を持つ皆様をはじめ、協同組合や労働組合の関係者、幅広い地域住民の皆様が地域社会を考える上での良き入門書になるとともに、地域社会研究者の皆様にとっても、各執筆者が提起している地域社会モデルが、研究を深める上でのヒントを提供できれば幸いです。
本書の構成
はじめに・・・岡崎昌之
第一章 まちづくり論・コミュニティ形成論の経緯・・・岡崎昌之
第二章 コミュニティを基軸にした地域再生の方向・・・岡崎昌之
第三章 新しい「コモンズ」を支える組織のデザイン
―エリアマネジメントと地域自治組織を例として・・・保井美樹
第四章 農山漁村における地域マネジメントシステム・・・坂本誠
第五章 地域の担い手の発見と地域型NPOにみる場づくり・・・佐久間康富
第六章 「地域づくり」への協同組合論的アプローチ
―「小さな協同」を育む・・・小林元
第七章 地域医療を守る住民の取り組みと地域コミュニティの形成・・・西岡秀昌
第八章 団塊世代の地域活動への参加
─東京都足立区の取り組みから考える・・・平戸俊一
補論:都市と農山漁村の「高齢化」問題とその対応策・・・坂本誠