転げ落ちない社会 困窮と孤立をふせぐ制度戦略

- 編者:宮本太郎
- サイズ:四六判・384頁
- 定価:本体2,500円+消費税
- 発刊:2017年10月
- 出版社:勁草書房
- 勁草書房の紹介ページはこちらから
- 日本経済新聞の紹介ページはこちらから
本書紹介
当協会では、学識経験者等で構成された研究会を設置し、勤労者の生活・福祉に関するテーマで様々な角度から総合的に研究し、勤労者福祉の普及・啓発に貢献するよう活動しています。
この活動の一環として、2016年3月に中央大学法学部教授 宮本 太郎 氏を主査に「格差・貧困の拡大の原因と是正施策に関する研究会」を設置し、3つのライフステージ(教育・就学前・就労前)と、3つの場(就労・家族・居住)の観点から是正施策について検討を重ね、その研究成果として、書籍『転げ落ちない社会』を発刊しました。
本書は、今日の日本社会に広がる困窮や格差、孤立の問題にどのように取り組んでいくべきか、社会福祉・社会保障の専門家が大胆に提案しています。まず貧困については、貧困に陥る原因とその対処法、子ども・高齢者・非正規(独居者、女性とくにシングルマザー)の貧困の実態、そして生活保護制度と社会保障制度の境界を探っています。次に格差については、教育格差・所得格差・雇用格差・社会保障の格差・住宅格差といった格差の実態とその是正策を探っています。さらに、貧困解消と格差解消は同時並行的に行えるのか、優先順位はあるのか(格差を解消すれば貧困はなくなるのか、あるいは貧困が減れば格差は解消するのか)、といった課題を考え、生活困窮者への支援策について考察しています。
本書の構成
序章 困窮と孤立をふせぐのはいかなる制度か?/宮本太郎
第1章 標準家族モデルの転換とジェンダー平等-父子世帯にみる子育てと労働をめぐって-
/湯澤直美
第2章 新しい居住のかたちと政策展開/白川泰之
第3章 住宅とコミュニティの関係を編み直す/祐成保志
第4章 相談支援を利用して「働く」「働き続ける」-中間的なワーク・スタイルの可能性と課題-
/西岡正次
第5章 支え合いへの財政戦略-ニーズを満たし、財源制約を克服する-/高端正幸
第6章 子どもの貧困と子育て支援/柴田悠
第7章 若者の未来を支える教育と雇用―奨学金問題を通じて―/花井圭子
第8章 脱貧困の年金保障-基礎年金改革と最低保障-/鎮目真人
第9章 高齢期に貧困に陥らないための新戦略/藤森克彦
終 章 鼎談:「転げ落ちない社会」に向けて/神野直彦・宮本太郎・湯澤直美
編者・執筆者紹介
- 中央大学教授
- 宮本太郎(編著)
- 立教大学教授
- 湯澤直美
- 東北大学教授
- 白川泰之
- 東京大学准教授
- 祐成保志
- A'ワーク創造館就労支援室長
- 西岡正次
- 埼玉大学准教授
- 高端正幸
- 京都大学准教授
- 柴田悠
- 労働者福祉中央協議会(中央労福協)事務局長
- 花井圭子
- 立命館大学教授
- 鎮目真人
- みずほ情報総研主席研究員/日本福祉大学教授
- 藤森克彦
- 日本社会事業大学学長
- 神野直彦