第2部:パネルディスカッション

多様性を活かし支え合う社会をめざして

多様性を活かし支え合う社会をめざして

戎野 淑子 氏(立正大学経済学部教授)

戎野 淑子 氏立正大学経済学部教授

大原裕介氏(社会福祉法人ゆうゆう理事長)

大原 裕介 氏社会福祉法人ゆうゆう
理事長

コーディネーター渡辺 真理 氏アナウンサー

基調講演を受けて行われたパネルディスカッションでは、立正大学経済学部教授の戎野淑子氏、社会福祉法人ゆうゆう理事長の大原裕介氏を加え、「多様性を活かし支え合う社会をめざして」をテーマにそれぞれの考えを語りながら活発な意見交換がされました。

コーディネーターを務めたアナウンサーの渡辺真理氏から「雇用や地域が抱える問題について」という投げかけに対し戎野氏は、長い間、企業が人件費を抑制しようと若者の採用を見送ってきたため、現在、中堅層にしわ寄せがきて、多忙状態になっている職場は少なくない。今後労働力が減少するにあたり、問題解決の糸口の一つは、働き方の質の向上にあり、そのためには「人を育てること」が大切で、一時的に生産性が上がらなくても、将来の生産性の向上に向け、全世代が役割を見直すべきであると語られました。

また、大原氏は現在ご自身がチャレンジされている社会福祉法人の活動内容について話され、現状の人材でできないことを、障がいのある人や高齢者などで担っていくなど、福祉を必要とする人が活躍する可能性について触れられました。また、「人のために役に立ちたい」という若い人が増えていると感じており、日本の支援・制度は優れているので、それをうまく運用していくことで福祉はもっとプライドを持ってやっていける」。と語られました。

さらに、戎野氏、大原氏の話を受け、日本の雇用問題の今後について渡辺氏から問いかけられた村木氏は、「少子高齢化問題では、日本は課題先進国であり、これからは、同じだけ働ける人を雇う単純な雇用管理ではなく、これまで排除してきた労働力を活かすことを真剣に考えなければならないと感じた。」と述べられました。

また、同じく駒村氏は、「多様性を許容し、可能性を追求する社会に変えていくことが必要。過去の思い込みを捨て、年齢や障がいに関係なく、すべての人が活躍できる社会を作っていくことが、日本が復活する道なのだと思う。」と語られるなど、日本が抱える多くの課題をどう克服していくのかということについて、さまざまな視点から意見が交わされ、約3時間が瞬く間に過ぎました。

(文責:全労済協会)

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